尾崎豊「幻の少年」

 

尾崎豊の自伝「幻の少年」を読んだ。
この本は、当時書こうとしていた「幻の少年」の原稿やメモで、この小説を書こうとした時に亡くなった。

 

薬物やそれによる精神病の恐ろしさを書いた本。尾崎豊の小説は初めて読んだけれど、さすがの文章力で情景がすっと頭に浮かんだ。曲から入った人間だから尚更、尾崎豊の苦悩や置かれていた状況が分かった。当時の社会情勢は体験していないが、確実に情勢が違うであろう同世代の私にとっても共感できるものだった。

 

仲間といることで自分は1人でないと安心できるが、不意に感じさせる孤独感
自分でも良くないと思っているような暗い日々にいつ終止符を打つことができるのかという不安
なにかを求めてはなにかを犠牲にしてしまうほどの刺激が欲しくなる年齢

 

生きるって結局苦しいことが多いんだよな
自分の思い描いていた普通からこれほど遠いだなんて思わなかった

 

この本には主に薬物による苦しいことや辛いことが書かれていたけど、良くないことに手を出して辞めれなくなってしまうのはやはりどこか寂しいからで、それは現代人も同じだ

 

精神病院のシーンや薬物を勧められて実際にやるシーンや見える幻覚や苦しみが、読了後の今でも鮮明に浮かぶ

 

「俺は悪魔たちを嫌という程見てきたが、髪を見たことは一度もない」
この一文がこの本の全てを語っている
この短い人生ですら、出会ってきた悪魔たちの数は数え切れない

 

死んだら神になれるのか分からないが、そのようなことを考えてしまうことがある
悪魔ばかりのこの世界で、せめて自分だけでも皆を救う神になりたい、そんな想いと優しさが描かれた本だった

 

キキ フジモリ

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